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内地給与課税について

質問 回答受付中

内地給与課税について

2008/12/15 14:46

yuxo

常連さん

回答数:5

編集

いつもお世話になっております。
さて、ある海外にある子会社から、親会社から出向している社員の内地給与課税分を親会社に、負担してほしいと相談きております。
そもそも‘眞狼詬寝歙任箸蓮△匹鵑覆海箸鮓世辰討い襪里。よく分からないのです。しかも、内地給与課税分を親会社が、負担しても、税法上問題はないのでしょうか。

お手数ですが、教えてください。

いつもお世話になっております。
さて、ある海外にある子会社から、親会社から出向している社員の内地給与課税分を親会社に、負担してほしいと相談きております。
そもそも‘眞狼詬寝歙任箸蓮△匹鵑覆海箸鮓世辰討い襪里。よく分からないのです。しかも、内地給与課税分を親会社が、負担しても、税法上問題はないのでしょうか。

お手数ですが、教えてください。

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1件〜5件 (全5件)
| 1 |

1. Re: 内地給与課税について

2008/12/16 10:14

しかしか

さらにすごい常連さん

編集

私もさして詳しいわけではないのですが・・・。

日本の会社が、海外に子会社を持っているとします。
この場合、親会社の社員が海外子会社へ出向することがあります。

この親会社からの出向社員については、2つの給料が支払われます。

(1)親会社からの給与手当(日本円)
(2)現地子会社からの給与手当(現地通貨)

この(1)親会社からの給与手当のことを「内地給与」と一般的にいうようです。

その出向社員が1年の大部分を現地ですごしているのでしたら、現地国の所得税法により、内地給与と現地国の給与の全体合計に対して、現地国の所得税が課税されることと思います。(所得税はどこの国でもたいてい、個人の全世界所得に対して課税されます。)

会社としては、毎月の給与について所得税の源泉徴収をすることになりますので、親会社は親会社が支払う給与について日本で源泉徴収の義務がありますし、海外子会社は現地通貨で支払う給与について源泉徴収の義務がたぶんあるのだろうと思います。

場合によっては、現地国では現地の給与だけでなく、「内地給与+現地給与」の合計全体に対する所得税の源泉徴収の義務があるのかもしれません。
(それで現地で源泉徴収すべき所得税のうち、内地給与に対する部分を負担してほしいと言ってきているのかな?)

いずれにせよ、所得税の負担をどうするのかは、親会社、海外子会社、本人の3者でよく話し合って決めておく必要があります。

この場合、どこがどう税金を負担すると、どういう問題点が生じるのか?というあたりはちょっと私もよくわからないのですが・・・。
(あんまり役に立たなくてすいません。)

私もさして詳しいわけではないのですが・・・。

日本の会社が、海外に子会社を持っているとします。
この場合、親会社の社員が海外子会社へ出向することがあります。

この親会社からの出向社員については、2つの給料が支払われます。

(1)親会社からの給与手当(日本円)
(2)現地子会社からの給与手当(現地通貨)

この(1)親会社からの給与手当のことを「内地給与」と一般的にいうようです。

その出向社員が1年の大部分を現地ですごしているのでしたら、現地国の所得税法により、内地給与と現地国の給与の全体合計に対して、現地国の所得税が課税されることと思います。(所得税はどこの国でもたいてい、個人の全世界所得に対して課税されます。)

会社としては、毎月の給与について所得税の源泉徴収をすることになりますので、親会社は親会社が支払う給与について日本で源泉徴収の義務がありますし、海外子会社は現地通貨で支払う給与について源泉徴収の義務がたぶんあるのだろうと思います。

場合によっては、現地国では現地の給与だけでなく、「内地給与+現地給与」の合計全体に対する所得税の源泉徴収の義務があるのかもしれません。
(それで現地で源泉徴収すべき所得税のうち、内地給与に対する部分を負担してほしいと言ってきているのかな?)

いずれにせよ、所得税の負担をどうするのかは、親会社、海外子会社、本人の3者でよく話し合って決めておく必要があります。

この場合、どこがどう税金を負担すると、どういう問題点が生じるのか?というあたりはちょっと私もよくわからないのですが・・・。
(あんまり役に立たなくてすいません。)

返信

2. Re: 内地給与課税について

2008/12/19 13:34

yuxo

常連さん

編集

>sika-sikaさん

ありがとうございました。
頭がすっきりしました。

>sika-sikaさん

ありがとうございました。
頭がすっきりしました。

返信

3. Re: 内地給与課税について

2009/01/17 21:37

yuxo

常連さん

編集

sika-sika様、皆様
小生の理解がすすみ、確認の意味で、追記させていただきますと、
投稿していただいた下記の文章(それで現地で源泉徴収すべき所得税のうち、内地給与に対する部分を負担してほしいと言ってきているのかな?)ですが、まさにそのとおりと存じます。
つまり、現地法人は、その部分を親会社である日本法人が、送金して、負担してくれないかと打診してきました。この部分は、法人税法上、損金として認めれるのかどうかが争点であります。(所得税法上、単に仮装して、給与を送金しているので、日本側でも中国側でも源泉徴収の恐れがあると小生は思っているのですが。)
知りたいのは、‘本の法人税法上、損金にできるのか日本の所得税法および中国の所得税法の源泉徴収の対象にならないのか の2点であります。お手数ですが、教えてください。



『日本の会社が、海外に子会社を持っているとします。
この場合、親会社の社員が海外子会社へ出向することがあります。

この親会社からの出向社員については、2つの給料が支払われます。

(1)親会社からの給与手当(日本円)
(2)現地子会社からの給与手当(現地通貨)

この(1)親会社からの給与手当のことを「内地給与」と一般的にいうようです。

その出向社員が1年の大部分を現地ですごしているのでしたら、現地国の所得税法により、内地給与と現地国の給与の全体合計に対して、現地国の所得税が課税されることと思います。(所得税はどこの国でもたいてい、個人の全世界所得に対して課税されます。)

会社としては、毎月の給与について所得税の源泉徴収をすることになりますので、親会社は親会社が支払う給与について日本で源泉徴収の義務がありますし、海外子会社は現地通貨で支払う給与について源泉徴収の義務がたぶんあるのだろうと思います。

場合によっては、現地国では現地の給与だけでなく、「内地給与+現地給与」の合計全体に対する所得税の源泉徴収の義務があるのかもしれません。
(それで現地で源泉徴収すべき所得税のうち、内地給与に対する部分を負担してほしいと言ってきているのかな?)』

sika-sika様、皆様
小生の理解がすすみ、確認の意味で、追記させていただきますと、
投稿していただいた下記の文章(それで現地で源泉徴収すべき所得税のうち、内地給与に対する部分を負担してほしいと言ってきているのかな?)ですが、まさにそのとおりと存じます。
つまり、現地法人は、その部分を親会社である日本法人が、送金して、負担してくれないかと打診してきました。この部分は、法人税法上、損金として認めれるのかどうかが争点であります。(所得税法上、単に仮装して、給与を送金しているので、日本側でも中国側でも源泉徴収の恐れがあると小生は思っているのですが。)
知りたいのは、‘本の法人税法上、損金にできるのか日本の所得税法および中国の所得税法の源泉徴収の対象にならないのか の2点であります。お手数ですが、教えてください。



『日本の会社が、海外に子会社を持っているとします。
この場合、親会社の社員が海外子会社へ出向することがあります。

この親会社からの出向社員については、2つの給料が支払われます。

(1)親会社からの給与手当(日本円)
(2)現地子会社からの給与手当(現地通貨)

この(1)親会社からの給与手当のことを「内地給与」と一般的にいうようです。

その出向社員が1年の大部分を現地ですごしているのでしたら、現地国の所得税法により、内地給与と現地国の給与の全体合計に対して、現地国の所得税が課税されることと思います。(所得税はどこの国でもたいてい、個人の全世界所得に対して課税されます。)

会社としては、毎月の給与について所得税の源泉徴収をすることになりますので、親会社は親会社が支払う給与について日本で源泉徴収の義務がありますし、海外子会社は現地通貨で支払う給与について源泉徴収の義務がたぶんあるのだろうと思います。

場合によっては、現地国では現地の給与だけでなく、「内地給与+現地給与」の合計全体に対する所得税の源泉徴収の義務があるのかもしれません。
(それで現地で源泉徴収すべき所得税のうち、内地給与に対する部分を負担してほしいと言ってきているのかな?)』

返信

4. Re: 内地給与課税について

2009/01/18 15:51

Hiro3

常連さん

編集

寄付金認定されるかどうかは、こちらの通達と本を参考としてください。
法人税法基本通達
(出向者に対する給与の較差補てん)
9−2−47 出向元法人が出向先法人との給与条件の較差を補てんするため出向者に対して支給した給与の額(出向先法人を経て支給した金額を含む。)は、当該出向元法人の損金の額に算入する。
(注) 出向元法人が出向者に対して支給する次の金額は、いずれも給与条件の較差を補てんするために支給したものとする。
1 出向先法人が経営不振等で出向者に賞与を支給することができないため出向元法人が当該出向者に対して支給する賞与の額
2 出向先法人が海外にあるため出向元法人が支給するいわゆる留守宅手当の額

中国現地法人を持つ親会社の税務処理のすべて
ーーー日中間税務の手続きと仕組みがよくわかる!ーーー
http://www.chinawork.co.jp/bookstore/book/sonota/B97zeimushorinosubete.htm

中国の居住者であるならば全世界所得に課税されますからどこが負担するかに関わりなく課税されます。
つまり、出向者が居住者なのか非居住者なのかで課税が異なります。
(参考書)
中国駐在員の選任・赴任から帰任まで完全ガイド
http://www.faminet.net/books/ufj003_ch.html

中国税務・会計ハンドブック(第4版)
http://www.toyokeizai.co.jp/CGI/kensaku/syousai.cgi?key=newbook&isbn=61054-5

以上を購入し確認してください。

【日本での課税】
日本での課税は、1年以上勤務する予定で出国(辞令など)すれば出国の日に日本では非居住者となります。
したがって、納税管理人を定めない場合は、出国までに確定申告をします。その後日本で課税されませんので源泉徴収もしません。
注)日本での勤務に基づく支出がないこと。
ただし、寄付金認定されるか否かは別の問題です。それは、日本の子会社に対するより厳しく判定されています。(課税権の行使ができない所得となってしまうためより厳格に判断することとなります。)

寄付金認定されるかどうかは、こちらの通達と本を参考としてください。
法人税法基本通達
(出向者に対する給与の較差補てん)
9−2−47 出向元法人が出向先法人との給与条件の較差を補てんするため出向者に対して支給した給与の額(出向先法人を経て支給した金額を含む。)は、当該出向元法人の損金の額に算入する。
(注) 出向元法人が出向者に対して支給する次の金額は、いずれも給与条件の較差を補てんするために支給したものとする。
1 出向先法人が経営不振等で出向者に賞与を支給することができないため出向元法人が当該出向者に対して支給する賞与の額
2 出向先法人が海外にあるため出向元法人が支給するいわゆる留守宅手当の額

中国現地法人を持つ親会社の税務処理のすべて
ーーー日中間税務の手続きと仕組みがよくわかる!ーーー
http://www.chinawork.co.jp/bookstore/book/sonota/B97zeimushorinosubete.htm

中国の居住者であるならば全世界所得に課税されますからどこが負担するかに関わりなく課税されます。
つまり、出向者が居住者なのか非居住者なのかで課税が異なります。
(参考書)
中国駐在員の選任・赴任から帰任まで完全ガイド
http://www.faminet.net/books/ufj003_ch.html

国税務・会計ハンドブック(第4版)
http://www.toyokeizai.co.jp/CGI/kensaku/syousai.cgi?key=newbook&isbn=61054-5

以上を購入し確認してください。

【日本での課税】
日本での課税は、1年以上勤務する予定で出国(辞令など)すれば出国の日に日本では非居住者となります。
したがって、納税管理人を定めない場合は、出国までに確定申告をします。その後日本で課税されませんので源泉徴収もしません。
注)日本での勤務に基づく支出がないこと。
ただし、寄付金認定されるか否かは別の問題です。それは、日本の子会社に対するより厳しく判定されています。(課税権の行使ができない所得となってしまうためより厳格に判断することとなります。)

返信

5. Re: 内地給与課税について

2009/01/21 14:06

しかしか

さらにすごい常連さん

編集

大変遅くなって申し訳ありません。


<例示>
A氏は日本国内にある親法人P社に勤務している。
毎月400,000円の給与を支給されていた。

来月から海外子会社であるC社へ出向することになった。
P親会社からは従来の給与は支給されないが、留守中の家族がいることから留守手当として毎月200,000円がP社から支給されることになった。
また、現地のC子会社からは給与として毎月300,000円が現地通貨で支給されることになった。


<論点>
1.P親会社から支給される留守手当200,000円は、非居住者であるA氏に対する国内源泉所得として、日本の所得税が課税されます。
ただし、A氏は非居住者なので、日本においてはこの国内源泉所得に対する源泉所得税の課税だけを負担し、A氏は日本では年末調整も確定申告も行ないません。

また、P親会社は従業員であるA氏に対する留守手当200,000円を従業員給与として損金算入します。
もちろん、これに対する源泉所得税の徴収・納付は、給与の支払者であるP親会社が負います。


2.C海外子会社は、A氏に対して給与を支払い、その給与から現地国の源泉所得税の徴収・納付をしなければなりません。
ここで問題となるのは、その現地国の源泉所得税がC子会社が支払う給与300,000円に対するものだけならばよいのですが、そうではなくておそらく現地国の所得税法によると、日本の給与+現地国の給与の合計額に対する源泉税を徴収・納付しなければならなくなる点にあります。
(このあたりの問題については、私は海外の所得税法についてあまり詳しくないので自信はありませんが、話の都合上、一応そういうことにしておきます。)

現地国の所得税法によると、給与の金額が現地分300,000円だけの場合には15,000円(金額は便宜上簡単にしています。)の所得税を源泉徴収しなければならないが、日本の給与200,000円を加えると給与の合計額は500,000円となるため、20,000円の所得税を徴収・納付しなければならないものと仮定します。

そこでC子会社が、増加する源泉所得税分20,000−15,000=5,000円を毎月P親法人で負担してほしいと要求してきたものとします。


<解決策>
1.現地のC子会社は、A氏に対する現地給与300,000円を負担しなくてはなりません。
したがって、もしも源泉所得税が20,000円なのであれば、300,000−20,000=280,000円を本人に支給し、現地国の国税当局には20,000円を毎月納付することになります。
つまり、源泉徴収する所得税が増加すれば、その分A氏本人に支給する給与が減少するだけであり、C子会社にとっては、源泉税が増加したからといって負担が増えるわけではないのです。
(源泉所得税を負担しているのはあくまでもA氏本人。)

よって、源泉徴収すべき税金の大小によって現地のC子会社の負担が増減するわけではないので、C子会社からの負担要求は根拠がないので却下します。
(個人的はお勧めの方法。)


2.しかしながら諸般の事情により、もしも源泉所得税が増加する部分をP親会社が負担・送金する場合、その部分はP親会社からの給与(給与負担金)とします。
つまり、現地のC子会社がA氏に支払う給与は、300,000−20,000=280,000円となり、それとは別にP親会社からの現地給与5,000円が加算されてA氏に支給されます。
P親会社が5,000円をC子会社に送金し、それをC子会社がC子会社の給与と一緒に合算してA氏に支払うわけです。

この場合、C子会社は「日本の留守手当200,000+P親会社の現地給与5,000+C子会社の現地給与300,000=505,000円」に対する現地国の所得税を源泉徴収しなければなりません。
したがって、現地国の源泉所得税は20,000円より増えるかもしれませんが、そのくらいはA氏に我慢してもらいましょう。
なお、日本の源泉所得税は留守手当200,000円のみに対してだけ課税されます。


3.日本のP親会社にとっては、留守手当200,000円だけではなく、さらに現地給与5,000円を毎月負担しているわけであり、これは日本の法人税法上、従業員給与として一応損金算入されます。
(A氏が役員や役員の親族だと、そもそも給与としての損金算入が微妙になるかもしれませんが。)

ただし、海外赴任者の現地給与は、現地法人が負担するのが原則です。
にもかかわらず、日本のP親会社がその給与の一部を負担する場合には、それなりの合理性が求められるでしょう。

ここで問題となるのは、本来であれば現地法人が負担すべき費用を国内のP親会社が負担してしまうことにより、日本国内のP親会社の利益(所得)をC海外子会社へ移転しているのではないか、と日本の国税当局に疑われる危険性があるということです。

つまり、日本の高い法人税の課税を受けたくないがために、P親会社の利益(所得)をC海外子会社へ移転し、P親会社の利益の一部についてはC海外子会社の利益として安い現地国の法人税の課税で済ませることで、日本での法人税の課税回避をしているのではないかとみられる危険性があるということです。

もしも日本で税務署に「利益の移転」であるとみなされた場合には、日本のP親会社においてはその給与負担部分5,000円はC子会社に対する寄付金となり損金算入できなくなります。

この場合、その給与負担金が妥当であるかどうかが争われることになり、当事者に課税回避の意図があったか否かは考慮されません。

現地国の法人税率が日本の法人税率より高ければこの問題は生じませんが、税率が低い場合には海外子会社とのやり取りについては常に「利益の移転」にならないかどうかを国際税務に詳しい税理士や会計士の先生に事前に相談するなど、細心の注意が必要です。

(今回のケースとは関係がない話で蛇足なのですが、現地国の法人税率が日本の法人税率より高い場合には、現地国の子会社の利益を日本の親会社に移転しているのではないかと現地国の国税当局に睨まれる危険性があります。
そういう意味でも海外子会社とのやりとりには細心の注意が必要です。)



4.A氏の所得税については、現地国の所得税法によりA氏が現地国で確定申告をして精算します。

まず、「日本の給与+現地国の給与」として所得を計算し、現地国で負担すべき現地国の所得税の全体を計算します。
次に、この負担すべき所得税額全体から、すでに現地国の給与から源泉徴収されている所得税と、日本の留守手当から源泉徴収されている日本の所得税をマイナスします。
日本で源泉徴収された所得税が現地国で負担すべき所得税からどのようにマイナスするのかは現地国の所得税法によりますが、おそらく「外国税額控除」として現地国の所得税からマイナスすることと思います。
(国によっていろいろあるので、どこまでマイナスできるのかはわかりませんが。)


具体的に中国での源泉税の実務経験があるわけではないので、あまり自信はありませんが、参考になれば幸いです。

大変遅くなって申し訳ありません。


<例示>
A氏は日本国内にある親法人P社に勤務している。
毎月400,000円の給与を支給されていた。

来月から海外子会社であるC社へ出向することになった。
P親会社からは従来の給与は支給されないが、留守中の家族がいることから留守手当として毎月200,000円がP社から支給されることになった。
また、現地のC子会社からは給与として毎月300,000円が現地通貨で支給されることになった。


<論点>
1.P親会社から支給される留守手当200,000円は、非居住者であるA氏に対する国内源泉所得として、日本の所得税が課税されます。
ただし、A氏は非居住者なので、日本においてはこの国内源泉所得に対する源泉所得税の課税だけを負担し、A氏は日本では年末調整確定申告も行ないません。

また、P親会社は従業員であるA氏に対する留守手当200,000円を従業員給与として損金算入します。
もちろん、これに対する源泉所得税の徴収・納付は、給与の支払者であるP親会社が負います。


2.C海外子会社は、A氏に対して給与を支払い、その給与から現地国の源泉所得税の徴収・納付をしなければなりません。
ここで問題となるのは、その現地国の源泉所得税がC子会社が支払う給与300,000円に対するものだけならばよいのですが、そうではなくておそらく現地国の所得税法によると、日本の給与+現地国の給与の合計額に対する源泉税を徴収・納付しなければならなくなる点にあります。
(このあたりの問題については、私は海外の所得税法についてあまり詳しくないので自信はありませんが、話の都合上、一応そういうことにしておきます。)

現地国の所得税法によると、給与の金額が現地分300,000円だけの場合には15,000円(金額は便宜上簡単にしています。)の所得税を源泉徴収しなければならないが、日本の給与200,000円を加えると給与の合計額は500,000円となるため、20,000円の所得税を徴収・納付しなければならないものと仮定します。

そこでC子会社が、増加する源泉所得税分20,000−15,000=5,000円を毎月P親法人で負担してほしいと要求してきたものとします。


<解決策>
1.現地のC子会社は、A氏に対する現地給与300,000円を負担しなくてはなりません。
したがって、もしも源泉所得税が20,000円なのであれば、300,000−20,000=280,000円を本人に支給し、現地国の国税当局には20,000円を毎月納付することになります。
つまり、源泉徴収する所得税が増加すれば、その分A氏本人に支給する給与が減少するだけであり、C子会社にとっては、源泉税が増加したからといって負担が増えるわけではないのです。
(源泉所得税を負担しているのはあくまでもA氏本人。)

よって、源泉徴収すべき税金の大小によって現地のC子会社の負担が増減するわけではないので、C子会社からの負担要求は根拠がないので却下します。
(個人的はお勧めの方法。)


2.しかしながら諸般の事情により、もしも源泉所得税が増加する部分をP親会社が負担・送金する場合、その部分はP親会社からの給与(給与負担金)とします。
つまり、現地のC子会社がA氏に支払う給与は、300,000−20,000=280,000円となり、それとは別にP親会社からの現地給与5,000円が加算されてA氏に支給されます。
P親会社が5,000円をC子会社に送金し、それをC子会社がC子会社の給与と一緒に合算してA氏に支払うわけです。

この場合、C子会社は「日本の留守手当200,000+P親会社の現地給与5,000+C子会社の現地給与300,000=505,000円」に対する現地国の所得税を源泉徴収しなければなりません。
したがって、現地国の源泉所得税は20,000円より増えるかもしれませんが、そのくらいはA氏に我慢してもらいましょう。
なお、日本の源泉所得税は留守手当200,000円のみに対してだけ課税されます。


3.日本のP親会社にとっては、留守手当200,000円だけではなく、さらに現地給与5,000円を毎月負担しているわけであり、これは日本の法人税法上、従業員給与として一応損金算入されます。
(A氏が役員役員の親族だと、そもそも給与としての損金算入が微妙になるかもしれませんが。)

ただし、海外赴任者の現地給与は、現地法人が負担するのが原則です。
にもかかわらず、日本のP親会社がその給与の一部を負担する場合には、それなりの合理性が求められるでしょう。

ここで問題となるのは、本来であれば現地法人が負担すべき費用を国内のP親会社が負担してしまうことにより、日本国内のP親会社の利益(所得)をC海外子会社へ移転しているのではないか、と日本の国税当局に疑われる危険性があるということです。

つまり、日本の高い法人税の課税を受けたくないがために、P親会社の利益(所得)をC海外子会社へ移転し、P親会社の利益の一部についてはC海外子会社の利益として安い現地国の法人税の課税で済ませることで、日本での法人税の課税回避をしているのではないかとみられる危険性があるということです。

もしも日本で税務署に「利益の移転」であるとみなされた場合には、日本のP親会社においてはその給与負担部分5,000円はC子会社に対する寄付金となり損金算入できなくなります。

この場合、その給与負担金が妥当であるかどうかが争われることになり、当事者に課税回避の意図があったか否かは考慮されません。

現地国の法人税率が日本の法人税率より高ければこの問題は生じませんが、税率が低い場合には海外子会社とのやり取りについては常に「利益の移転」にならないかどうかを国際税務に詳しい税理士や会計士の先生に事前に相談するなど、細心の注意が必要です。

(今回のケースとは関係がない話で蛇足なのですが、現地国の法人税率が日本の法人税率より高い場合には、現地国の子会社の利益を日本の親会社に移転しているのではないかと現地国の国税当局に睨まれる危険性があります。
そういう意味でも海外子会社とのやりとりには細心の注意が必要です。)



4.A氏の所得税については、現地国の所得税法によりA氏が現地国で確定申告をして精算します。

まず、「日本の給与+現地国の給与」として所得を計算し、現地国で負担すべき現地国の所得税の全体を計算します。
次に、この負担すべき所得税額全体から、すでに現地国の給与から源泉徴収されている所得税と、日本の留守手当から源泉徴収されている日本の所得税をマイナスします。
日本で源泉徴収された所得税が現地国で負担すべき所得税からどのようにマイナスするのかは現地国の所得税法によりますが、おそらく「外国税額控除」として現地国の所得税からマイナスすることと思います。
(国によっていろいろあるので、どこまでマイナスできるのかはわかりませんが。)


具体的に中国での源泉税の実務経験があるわけではないので、あまり自信はありませんが、参考になれば幸いです。

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