発生主義を厳格に適用することは、現実的には限界があると思います。すべての費用の発生を予測して、未払計上根拠をそろえて、決算確定までに計上してしまうことは、所詮できないと思います。これは、監査法人、一般的な投資家や経営者には理解していただけることであると思います。

そんな中で、当該支払いを前期分として処理されたいという理由はなんでしょうか。いったん確定した決算書をすべて作り変えるしか方法はないと思います。

テクニック的には、個人経営的な企業であれば、何回でも作り変えて、納税期限までに確定させれば済む話でしょう。

上場企業であれば、経営会議、会計監査、監査役の監査などを経ていたら、すべてをやり直すことになるかも知れず、決算短信として開示した後では、短信訂正として取引所に申し出て、利益訂正の情報開示をしなければならず、経営者としては恥ずべきこととして嫌がるケースもあります。まあ、こんな無理を強制するのは、かなり上層部の意見でしょう、上が納得しているなら、粛々と進めるしかないでしょう。

昨年の決算書の訂正をせず、今期の処理でこれを反映させるとすれば、当該費用を特別損失の前期損益修正として「過年度××費」として計上する妥協案が考えられると思いますが、なぜ、当該費用だけを特別損失として計上するのか?、今後も昨年の費用が後日になって認識されたら同様の処理をするのか?、他にも昨年の費用が今期の費用として紛れ込んでいないか?、利益操作になっていないか?など、明確な判断基準でもって処理しなければならないと思います。会計処理で怖いのは、その場限りの処理をして、全体的な一貫性を欠くことではないかと思います。