見ていて「未払費用」という勘定科目としての名前と「未払の費用」という言葉の意味をごっちゃにしていないかなぁと感じていました。

未払の費用といっても「買掛金」「未払金」「未払費用」の3つに分類することができます。

まず商社や商店などで、自社が販売目的で仕入れたものは「買掛金」になります。
私が文房具屋を開いたとして、商品として売る目的で鉛筆をツケ払いで仕入れた場合は「仕入/買掛金」という仕訳になります。後日その鉛筆代を問屋さんに支払ったときに「買掛金/現金」という仕訳をすることで買掛金勘定を取り消します。

次に「毎期継続して発生し、継続的に役務の提供を受けているもののうち、債務額が確定しないもの」は「未払費用」となります。言葉が分かりにくいのですが、電気水道料金を想像してもらえると分かりやすいと思います。
光熱費などは毎日使っている(=継続して役務の提供を受けている)ものですが、検針日で一ヶ月使った分を測定し、請求書を受け取らないと今月いくら払えばよいのか、は確定しませんよね。例えば検針日が毎月15日で、20日あたりに請求書を受け取り、月末に支払うという場合、その月の16日〜末日の間も水道や電気は使っていますが請求を受けていませんよね。この分をメーターなどから測定して見積もって費用計上しましょう、というのが「未払費用」になります。

それら以外は全て「未払金」となります。製造業などで製品を作るために仕入れた材料費、あるいは人件費、水道光熱費のうち請求書が到着した分などは「○○費/未払金」と仕訳を起こすことになります。


以上から前任の方の処理が今ひとつ不明瞭ではありますが、会社によって処理方法は様々なのでそういう処理をしている場合もあるのでしょう。もっとも正しい処理とはいえないのでできれば上記のように変更されたほうがよいですね(つまり材料費であれば未払金が適当だろうと思います)。


これらを仕入先への買掛金と相殺する仕訳は「買掛金(未払金)/売掛金」でいいと思います。