「募集株式の引受人は、出資の履行をしないときは、当該出資の履行をすることにより募集株式の株主となる権利を失う。」

において、
「当該」は「出資の履行」を、
「当該出資の履行をすることにより」は「募集株式の株主となる」を、
「当該出資の履行をすることにより募集株式の株主となる」は「権利」を修飾します。

読みにくいなと感じるのは、「当該出資の履行をすることにより」が「失う」を修飾する副詞句に見えてしまうからです。そのように読んでしまうと、当初の引受人が権利を失う原因が「当該出資の履行をすること」にあるとなり、じゃあ誰が履行したときか?てな迷路に入り込んでしまうわけですね。

ここはそうでなくて、「当該〜株主となる」が一まとまりの形容詞句として「権利」を修飾しているのです。
つまり
「引受人は、権利を失う。」
どんなときに失うか?→「出資の履行をしないとき」
失う権利とはどんな権利か?→「当該出資の履行をすることにより募集株式の株主となる権利」
と言う構造です。

「当該〜株主となる」を普通の話し言葉に言い換えれば「ちゃんと出資していれば株主になれたはずの」くらいでしょうか。


御意を読み違えていたらごめんなさいです。
ご指摘下されば練り直します。