その待ち伏せは、労働問題等について苦情等を上げてきたnosさんに対する会社の「脅し」行為と思われます。

回答や解決案を探るには、まず、起こった出来事の背景も含めた全体像を把握する必要があります。その点で、お書きの情報については、ご自身に有利なものも不利なものも十分に記されています(その意味で、すべての内容は全体像を把握するための価値ある情報であり、屁理屈でも何でもありません)。それら情報を総覧すれば、今回の件の全体像把握には労働問題や勤務体制問題等の各種問題を避けて通れないことが分かります。


人に制裁を加える場合に、同じ行為をしても異なる制裁措置を取ることがあります。その理由は様々ですが、組織にとって煙たい人間に対して重い制裁を加えることが、ままあります。今回の件については、それに近い臭いを感じます。

もっとも、会社は、警察沙汰にもせず、賠償請求もしてこないことが十分に予想されます。なぜなら、労働問題等において会社側にも弱みがあるからです。事を荒立てれば切り返される、ということです。今までは、会社は専ら切られるおそれのある立場でしたが、待ち伏せで現場を押さえることによって、お互いに相手から切り返されるおそれのある立場に出来たのです。ここが会社の真の狙いだと推定されます。

言い換えると、今後は、労働問題等の各種問題について、nosさんは会社の切り返しを念頭に置いて行動せざるを得なくなります。その萎縮的効果を会社は狙い、確保できた、これが今回の件の背景と思われます。


そうであれば、対応はおおむね4つあるでしょう。

ひとつは、会社の思惑どおり萎縮してアルバイトを続ける選択肢。
ふたつめは、とりあえず頭を下げるが、切り返されるリスク込みで、各種問題については引き続き従来どおりの対応をする選択肢。
みっつめは、とりあえず頭を下げて、各種問題については会社に意見を聞いてもらえるよう対応を変えてみる選択肢。
よっつめは、今回を限りにアルバイトを辞める選択肢。

いずれを選ぶのが良いのかについては、既にある程度の答えを見出していらっしゃるようなので、敢えて記しません。


なお、既に出ておりますが、規定どおりの賠償額を支払う必要は一切ありません。法律で禁じられている損害賠償の予定に当たるからです。お父様のコメントは、失礼ではありますが、全体像の把握をしきれていないように思われます。請求されたら、あるいは差し引いてアルバイト料を支払うと言われたら、根拠法規を挙げつつ、法律上禁止されている損害賠償の予定であることをはっきり告げるのが良いと思います。その際に、ご自身も会社に対して切り返しの出来る立場であることを忘れないようにしてください。
場合によっては、法律上の禁止行為であることを指摘すると同時に、労働問題等の各種問題についても法律上の禁止ないし義務違反であること、賠償請求をするかアルバイト料から差し引く場合にはそれを争う姿勢があるとともに各種問題に関する違反行為を監督官庁等へ伝える用意のあることなどを、併せて伝えると非常に効果的です。その際には、事前の下調べが肝要です。

最後に、刑事事件の可能性についてコメントすれば、警察への通報はいつでも誰でも出来るため、これを止める手立てはありません。しかしながら、今回の件については、処罰対象となる可能性は限りなく小さく、警察に逮捕される可能性も限りなく小さく、そもそも罪に当たる可能性が大きくありません。処罰対象となる可能性および罪に当たる可能性の点については、法学部の教授の方から十分なコメントをいただけたようですので、もはや触れる必要はないものと考えます(その教授のコメントどおり、可罰的違法性の見地から違法性が阻却され罪にならないものと思われます)。また、警察に逮捕される可能性についても、先に示したとおり会社も切り返されるおそれを抱えていますから、通報をする可能性は非常に低いでしょう。