会社法の計算編は、旧商法時代とは異なり、
企業会計原則を始めとした会計準則を
まるまる受け入れる構造となりました。

会社計算規則も、各種会計準則を
会社法の表現で書き写したものが大半です。
(その残りは、準則に無いものを定めています。)

これは、会社が会計準則に従っていれば適法、
そうでなければ違法という趣旨が背景に存在することを、
意味しております。


資金繰りが苦しくて借りたのであれば、
それは確かに会社の判断としては借入金です。
何ら不正行為ではありません。

しかし、数ヶ月連続して役員報酬支給日と同日
ないしほぼ同じ日に一定額を「借りた」のなら、
それは客観的に見て役員報酬の減額に他ならず、
すなわち実態は役員報酬の減額と評価されます。
そのため、仕訳上は未払役員報酬として
扱わざるを得ません。

あるいは、一定額を「借りた」のが一回限りでも、
役員報酬の未払と一緒なんだけど
ここは借りたことにしておこうかね、
という意図があれば、
形を整えつつも実態は役員報酬の減額
ということですから、
仕訳上はやはり未払役員報酬として
扱わざるを得ません。

それが、会計準則の考え方なのです。

実務を尊重し過ぎると
何でもアリの世界へ突入してしまうので(笑)、
実態判定で歯止めをかけているわけです。

詳細が分からないため完全な断定は難しいものの、
今回のケースについてFUMOさんお書きの内容から
実態判定をすると、
残念ながら借入金にはならないと思われますよ、
ということです。


最後に。

FUMOさんがお求めなのは、根拠条文そのものではなく
大丈夫かどうかの確認ですよね。

であれば、それに直接応える投稿こそ
推奨されるべきと思います。

私は、FUMOさんがリスクの少ない手法を
お知りになりたいのだろうと考えて、
リスクの大小を最重視して一連の投稿を記してみました。

断定的表現を採ったのは、リスクフリー最重視で
良いのだろうと判断したためのものです。

もちろん、決算書は経営者の意思表示ですし
会社運営そのものもまた経営者の判断によりますから、
最終判断をするのは、
FUMOさん始め3名の取締役の方です。

なお、今回のテーマ(役員報酬減額)に関して問題となった
資金繰りと定期同額給与との関係については、
「税務署へ問い合わせて一定の基準を入手なさるのが
 いいと思います」という方向性を、すでに記しました。
この点、ご参考になれば幸いです。